なんじゃくがに(銀黄金)

うちなーぐち(沖縄語)、三線

うちなーぐちの表記ゆれについて(2)

前回、声門破裂音の場合のうちなーぐちの表記ゆれを紹介しましたが、それ以外のものについても紹介しようと思います。

うちなーぐちの表記ゆれについて(1) 声門破裂音 - なんじゃくがに(銀黄金)

助詞「や」

日本語の助詞「は」に大体相当します。

日本語の場合、名詞 + は と続いても名詞の音は変わりませんが、 うちなーぐちの場合は「や」が続くと名詞自体の音が変わる場合もあります。

名詞が短母音aで終わる場合

aの音を伸ばします。

例: はな + や = はなー(花は)

名詞が短母音iで終わる場合

iがeに変わった上で eeとなります。

例: くんちち + や = くんちちぇー(今月は)

名詞が短母音uで終わる場合

uがoに変わった上で ooとなります。

例: ちぶる + や = ちぶろー(頭は)

名詞が短母音eで終わる場合

うちなーぐちではeで終わる単語は余りありませんが、外来語などeで終わる単語 + 「や」の場合はeの音を伸ばします。

名詞が短母音oで終わる場合

うちなーぐちではoで終わる単語も余りありませんが、外来語などoで終わる単語 + 「や」の場合はoの音を伸ばします。

コスト + や = コストー

名詞が長母音で終わる場合

そのまま「や」を続けます。

例: ちゅー + や = ちゅーや (今日は)

名詞が「ん」で終わる場合

例: ナントカさん + や = ナントカさのー

表記法

文語体で書くときは長母音で終わらない場合でも名詞 + 「や」で書くときがあります。このとき表記と実際の発音がずれることに注意。

例:「花や」と書いていても「はなー」と読みます。

また、短母音i, oで変わる場合、漢字表記だと発音通りに書くのが難しい場合があります。

例:「今月(くんちち) + や」を「今月ー」と書いて「くんちちぇー」と読ませる?

助詞「ん」

日本語の助詞の「も」に当たるのが助詞「ん」です。

ほとんどの場合はそのまま名詞に「ん」をつければ良いですが、

「ん」で終わる単語の場合には「ぬん」となります。

例:いん + 「ん」 = いぬん(犬も)

これも漢字表記のときにちょっと困ります。

例:「犬ん」 と 書いて 「いぬん」と読ませる?

日本語式表記

日本語の「の」に当たるのは「ぬ」ですが、表記は日本語式で読みは沖縄式の場合があります。

例:「別れの煙」と書いて「わかりのちむり」

他にも日本語式表記になっていても沖縄式で読むものはあるかと思います。見つけたら追記していきます。