※この記事の内容は個人の推測です
士族成年男子の発音
琉球王朝時代、士族成年男子の使う言葉は、平民や士族女子のものとは語彙だけでなく発音が違うものでした。
平民の言葉には現れない「しゃ」行音、「つぁ」行音が現れます。
例えば平民言葉の「すん」(日本語の「する」)は士族成年男子では「しゅん」となります。
※全てのさ行音がしゃ行音になるわけではありません。
現代では?
現代ではこの発音の形態で発音する人はほぼいないと思います。
ただし、琉球古典音楽の歌詞、組踊の台詞には当時の発音が残っています。
また、日本語の影響で「しゃ」行音は平民であっても使うようになります。特に漢語由来の言葉で。
由来?
「しゃ」行音は口蓋化という言語学的には比較的よく起こる現象で説明ができるようにも思えます。
ただ、そうだと考えた場合、成年男子のみに変化が起こった理由が謎のまま残ります。
また「つぁ」行音については別の説明が必要だと思います。
仮説
で、推測ですがこの発音は中国語由来じゃないんじゃないかと思いました。
当時の士族の成年男子は教養として漢文を習っていて、外交のためにも官話を習得しなければならなかった。
それで中国語の発音がうちなーぐちにも取り入れられたのではないかと。
中国語ではcの発音記号で表せる音は日本語表記では一番「つぁ」行音に近いです。
例: 「菜(cai)」-> ツァイ
当時の士族はエリート階級で、現在の日本に当てはめて考えると、カタコトの英語ばかり話す人の中で発音の良い英語を話す人がいる感じなのかなあ、 と想像を膨らませてみたり。
士族成年男子の発音について何か研究があるのを知っている人がいたら教えていただきたく。